今回初めての東北訪問、そしてボランティアへの参加でした。
東北には親戚や知人もおらず、被災地のことはメディアを通じた情報しかありませんでした。
今年鍼灸師となり、今何か自分に出来ることはないかと思い参加させて頂きました。
南三陸町に着いた参加メンバーの方たちは震災直後から被災地に通われており復興の様子を感慨深く感じられていました。
しかし私は自分のテレビで見た記憶と、目の前の景色とすぐに結びつけるのは困難でした。
その後、高台から町を一望しました。
震災前後のパノラマ写真が飾られており、その景色を眺めていると急に今までに無かった感情が湧きあがりました。
「ああ、全部流されたんやなぁ」とその時やっと目の前の現実を実感することができました。
実際に現地に来ないと得られなかった感覚だったと思います。
復興住宅を見学し、震災後の南三陸の住民を束ねられていたリーダーのお話を伺い、被災地の現状を目の当たりにしました。
訪問先の特定非営利法人「ケアステーションゆうとぴあ」さんでは、はり灸をさせて頂きながら当時の現状を伺う事が出来ました。
障害を持っておられる中での被災に加え、目に見えない放射能の恐怖。
本当に大変な思いをされてきた方たちの話を伺い、胸が詰まる思いでした。
今回の訪問ではたくさんの人のお話を聞くことができ、その苦労も聞くことができました。
被災地での出来事は地域の人と話さなければ分からない事が多くあります。
復興の裏にあるたくさんの苦労が報道されていない現実もあります。
今回参加するまで、どこか遠い土地の出来事と感じてしまっていましたが、実際に現地を訪れ、ふれあい、交流する中で自分にとって身近な出来事として思うようになりました。
東北の人のやさしさにも触れ、かけがえのない経験となりました。
はり灸という形で被災地の方々と直接関われる活動に参加でき本当に感謝しています。
(松﨑)