第一回能登訪問 感想

こんにちは。はり灸レンジャー隊員の清水です。

今回、能登へ訪問して思ったことは、やっぱり
「行ってみないと分からない」
この一言に尽きます。

震災直後の報道ではボランティアの訪問を制限するような呼びかけがあったことが印象的でしたが、
それがなぜなのか、実際に金沢から輪島に向かう道をレンタカーで走ってみて分かりました。

奥能登へ向かう主要道路である「のと里山海道」は、地震の影響で所々が思わぬ場所で隆起したり陥没したり、10〜20センチ程度の凸凹が無数に生じていて、天気の良く視界の開けた数時間の車移動でも、車酔いのような気持ち悪さを感じました。

(帰りは少し慣れましたが、震災直後の雪が降る中、修復もままならない状態で能登入りした人たちの中には、道の段差に気づかず横転したり、道なき場所に突っ込んでしまった車もあったそうです。あの震災直後に能登へ行けたのは雪道の運転に慣れていることはもちろん、悪路への運転へのある程度の覚悟と経験が必要だったのだなと思いました。)

そして、こうした道を毎日利用している地元の人たちの三半規管は大丈夫なのか…と心配になりました。

はり灸治療活動をさせていただいた輪島KABULETは輪島市の中心街にある入浴施設で、今は被災した方達の入浴場所として開放されています。

その一室をお借りできたこと、また施設のスタッフの方たちが事前にチラシを貼って地域の皆様にお声がけくださったおかげで、二日間でのべ56人の人たちへはり灸治療を受けていただくことができました。

お話を聞きながら治療させていただいて印象的だったのは、皆さんとても優しいこと。

ご自身も被災されてお家も危険度高と認定されているにも関わらず、全壊で(家に)帰れない人たちに申し訳ないと車内での寝泊まりや危険な家に戻って生活されていたり。
お身体を拝見し、日常生活であれば早く検査を受けて欲しいとアドバイスするような方でも「もっと大変な人もいるから…」と慮って、病院受診を躊躇っている。

この、「相手を思う気持ち」と「自分を大切にすること」のバランスが崩れてしまうのも、震災の二次被害と言えるのかもしれません。

そして、よその土地から来る私たちだからこそ何のしがらみもなくただただ言える「体を大事にして!」という言葉が、
ほんのちょっとでも、何かのきっかけとなるといいなと思います。

今回、はり灸治療を受けてくださった高齢の方の何人かが「あっさりした!」とニコニコ顔で言ってくださいました。
「あっさり」とはこの地方の言葉で「体が軽くなった、すっきりした」という意味だそうです。

あっさりという言葉を目や耳にするたびに、おばあちゃんたちの笑顔を思い出しています。

清水先生輪島202403

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です