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はり灸レンジャー ~鍼灸震災ボランティア~
旧ブログサイトです。
グループが発足した2011年から、メンバーによる活動報告や関連団体の紹介、被災地の声、ボランティアの声を届けてきました。こちらのサイトにも過去の記事を移行しています。
メール: harikyu.ranger@gmail.com
はり灸レンジャーの森川です。
2025年11月22日・23日の二日間、JICA関西で実施された JIMTEF(国際医療技術財団)の災害医療研修のアドバンスコースを受講しました。

ベーシックコースはオンラインで受講し、アドバンスコースは二日間の会場研修になります。
今回のアドバンスコースは、発災から急性期の対応、避難所運営ゲーム(HUG)、避難所地域アセスメント、災害食の実際、本部運営実習といったプログラムで、主に「急性期」の災害医療の対応を学びます。
はり灸レンジャーは、災害からしばらく経っての「慢性期」の活動がメインです。
発災直後や急性期に被災地に入ることは少ないですが、今後起こり得る大規模災害時や、近隣での災害となれば、そうも言ってられません。
今回改めて感じたのが、その「急性期」対応の大変さです。
実際の災害を想定して、避難所の立ち上げから運営をしていくゲーム(HUG)や、その避難所の状況を評価したり、保険医療福祉調整本部を運営してみたり…
想定とは言え、その各方面の大変さを切に感じることができました。
鍼灸師による災害支援の一つに、「支援者支援」があります。
被災者を支援する人を、支援する。
災害急性期の対応で疲弊される医療福祉職、行政職員、現地団体職員など、支援したい気持ちがさらに強まりました。
また、今回は様々な医療福祉職の方々と同じ班になって研修をしました。
(私の班には、DMATの先生、栄養士、公認心理師、PT、ST、柔整師、ケアマネージャーの先生方が揃っていました。)
それぞれの職種の役割や立場を知ることもでき、それもまた良い機会となりました。
災害医療の「大変さ」を知るだけでなく、「楽しみ」もありました。
その一つが「災害食の実際」です。
非常食をそのままいただく経験はこれまでもありましたが、それをいかに美味しく、そして栄養も考えていただくためにはどうするか?
日本栄養士会の災害支援チーム(JDA-DAT)が中心となって、多くの企業や団体から提供された食品を実際に調理し、試食することもできました。

盛りが美しくありませんが、野菜ジュースで戻したアルファ米や、発熱剤を用いてビニル袋内で調理された副菜など、美味しくいただきました。
長期保存パンもとても美味しく、非常時にこんなパンが食べられたら、元気が出るだろうなと思いました。
今回の研修でたくさんの交流と経験をさせていただきました。
「知っている」と「経験がある」では、大きな違いです。
災害時には、イレギュラーなこと、思い通りにいかないことが、たくさんあります。
自分で考えた経験があると、そんなときにも応用が効きます。
いろいろ試して、時には失敗して、また改善していく、それが大切なことだと改めて感じました。
その平常時の積み重ねが、災害時にも役立ってくれると信じております。
2025年5月30日(金)~6月1日(日)第74回全日本鍼灸学会学術大会名古屋大会が開催され、はり灸レンジャーのメンバーも参加しました。

今大会のテーマは「女性のみかたⅡ―フェムテックによる女性のWell-beingに貢献する鍼灸―」ということで、female(女性)、technology(技術)、Well-being(健康)を追求した学術大会でした。
なお、今大会では、事後参加登録によるアーカイブ配信も可能です。
(一般演題やポスター発表の録画は無いようです。)
詳細は下記のリンクからご確認ください。
■参加登録申込期限:2025年7月22日(火)23:59
■アーカイブ配信期間:2025年6月23日(月)~7月22日(火)※予定
はり灸レンジャーからも、昨年の能登半島地震と豪雨災害の支援について報告させて頂きました。
ポスター発表では、今回のテーマである「女性」についても取り上げました。
被災地では女性の受療者の割合が多いです。
被災者の安心、リスク管理を考える上でも、もっと多くの女性鍼灸師の活躍が望まれます。
発表時には、他の災害支援団体や石川県の先生、災害支援に関心のある学生や先生にもご聴講頂き、発表が終わってからも多くの質問を頂きました。
(座長もDSAM(災害支援鍼灸マッサージ師合同委員会)の先生でした!)
質疑応答では、
・鍼灸により効果の見られた疾患は?
・どんなローラー鍼か?その使い方の指導方法は?
・細く長くの活動資金は?
・活動場所は避難所 or 仮設団地?
・被災地で活動する為には?
・はり灸レンジャーに入る為には?
など、多くの質問がありました。
その回答は今後の発表やこちらのサイトでもご紹介していければと思います。
災害現場で、鍼灸は被災者の支えになります。
が、災害支援に関わる鍼灸師の数はまだまだ少ないです。
いざという時の為に、もっと多くの鍼灸師の先生方にも関心を持っていただければと思います。
<補足>
Q.「被災地で鍼灸支援をする為には?」
A.「日本災害鍼灸マッサージ連絡協議会(JLCDAM)と連携してください。
単独で入ると、被災地に迷惑をかけることがあります。」
日本災害鍼灸マッサージ連絡協議会(JLCDAM)
災害支援に関わる鍼灸マッサージ師団体の情報共有サイト
https://jlcdam.net
Q.「被災地で多い疾患は?」
A.「問診では鍼灸治療への期待として痛み(頭痛、肩こり、腰痛、膝痛)が多いですが、不眠、倦怠感、めまい感なども愁訴としてよく聞きます。」
(下記リンク内の「施術データ」に、各訪問地の受療者の男女比、年齢比、主訴、鍼灸経験を公開しています)
(ブルー 森川真二)
3月6日(木)〜8日(土)の日本災害医学会総会・学術集会記念大会の最終日、木村はJLCDAMの活動場所で鍼灸マッサージ体験のスタッフに加わりました。
初参加で右も左もわからない中、段取りをしてくださる先生の細やかなメールや、前日に参加した仲間の情報もあり、予定時刻丁度に無事辿り着きました。
一緒に活動した先生方も皆様親切で、安心して活動する事ができました。
短い時間でしたが、医療従事者、学生、ほか様々な業種の方の話を聞かせて頂きました。
各地の災害現場で活動をされた方や、被災者側の立場の方、実際に経験された方の言葉は心に響きます。
災害の多い日本ですが、この方々がいてくださる事は本当に心強いです。
災害のない事を願いつつ、有事の際には彼等の存在を心の支えに踏ん張って乗り越えたいものです。
最終日という事で、どなた様もそれぞれ帰路に着く頃でした。
北から南まで、またそれぞれの日常に戻っている頃だと思います。
新生活が始まる方も、これから益々のご活躍を応援する気持ちで関わらせて頂きました。
マッサージを受けている方が『被災地でこのように鍼灸マッサージを提供するのは必要な事だと思う』と言ってくださいました。
これまでの活動が肯定されたような気がしてとても嬉しかったです。
ご縁のあった皆様に恥じないよう今後も活動を続けていきたいです。
このような貴重な経験の場を紹介・提供して頂いた皆様に厚く御礼申し上げます。

(木村)
先日の3月6、7、8日の3日間にわたって
ポートメッセ名古屋で開催された
日本災害医学会総会・学術集会にて、JLCDAM(日本災害鍼灸マッサージ連絡協議会)主催の、鍼灸マッサージ体験ブースの活動に参加してきました。

総会の参加者の多くは医師・看護師をはじめとした医療関係の方々。
マッサージさせて頂く短い時間の中でしたが、災害支援へどのように関わっているか、実際の現場派遣のお話、今回の総会発表についてなど…
ほんの少し施術させて頂く中でお聞きしたリアルなお話はどれも貴重で、鍼灸ボランティアとはまた違った世界を垣間見ることができました。
ニュースでは当たり前のように『医療スタッフが現場入りしました』なんて報道されるけど、あの段階に至るまでにどれだけの日々の下準備があるのか。
災害の経験をまとめて、分析して、色んな視点で、色んな角度で、沢山の人が考え抜いて『次』に備えている。
そんな積み重ねがあっての今なんだな、と
改めて知る事ができました。
そしてほんの少し、そんな場所に関わる機会を頂けたことに感謝の日でした。

(中村)
はり灸レンジャーの活動に対して、日本財団様より「令和6年能登半島における地震・大雨被害に関わる支援活動」として助成金をいただけることになりました。

豪雨後の2024年11月から2025年3月までの活動が対象です。
その場限りの鍼灸施術だけではなく、希望者にはセルフケア用品を無償で配布して、被災者の方自身による健康維持をお願いしたいと思います。
私たちが支援に入っていた地域では、9月の大雨による、度重なる被災がありました。
やっとの思いで仮設住居に入居されたにも関わらず、また避難所暮らしに戻られた方もおられます。
これからの寒い冬も越えなければいけません。
被災地では、まだまだ大変な状況が続いています。
引き続き、ご支援ご協力よろしくお願い致します。
「ご寄付について」
(森川)