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はり灸レンジャー ~鍼灸震災ボランティア~
旧ブログサイトです。
グループが発足した2011年から、メンバーによる活動報告や関連団体の紹介、被災地の声、ボランティアの声を届けてきました。こちらのサイトに過去の記事も含め、移行中です。
メール: harikyu.ranger@gmail.com
はり灸レンジャー 吉村です。
先日はり灸レンジャーとして初参加しましたが、一人の患者さんをトータルで診るということを今回初めてさせていただきました。
はじめの問診で色んな症状を訴える方、言葉数の少ない方、いろんな方がいらっしゃいました。
短時間での治療でどれだけのことができるのか。主訴は肩であっても、明らかにこれは呼吸器からきていると思う場合は喉や肺の反応点を優先したいのですが、その説明がわかりにくい説明になってしまったり…。
しっかり自信を持って説明できているのか不安なまま治療をしている自分がいました。
自分の勉強不足さを痛感しました。なかなか一遍にはできませんが、日々の積み重ねによって知識は蓄積されていくものなので、”気になったらまず調べる癖”をつける必要性を感じました。
そして、分からないなりになにかもっとうまく表現する方法があったのではないか?と考えました。
もっとわかりやすい表現をする訓練が必要です。
もし自分が患者さんの立場だったら結構不安になるような声かけだったのではないかと反省しました。
治療で少しでも楽になってもらえるような要素は鍼灸技術だけでなく会話もとても大きなポイントを占めています。
心と身体は切り離せるものではないので、鍼灸治療をするうえでいかに今回会話も大切かということを改めて感じました。
治療をしていて感じたのは、自分のある程度得意分野な症状にはスムーズに治療ができたように感じます。
自分自身興味がある分野だと知識を入れているので患者さんの疑問にも自分なりのコメントができたり、生活指導もできたりと、リードすることができます。
こういう流れは治療において非常に大切で、このような治療ができるように今の自分に足りないのは第一に知識だと感じたので出会った患者さんの主訴、まずはイメージのしやすい疾患から頭に入れていきたいと思いました。
当たり前の話ではありますが、それを着実に積み上げることが今できることなので根気よく続けていきたいです。
はり灸レッドこと舟橋です。
9月の第6回訪問から帰宅し、岐阜での日常業務にもどるなか、フェイスブックで知ったこの記事を読み、う~んとうなりました。
↓
焦点/岩手、宮城、福島3県 障害者1655人犠牲
この記事は南三陸で活動されている「被災地障がい者センター南三陸」のスタッフの方から教えていただいたのですが、簡単にいうと地震・津波による死亡率が、健常者に比べて障がい者は平均して2倍だと報告されています。
特に私たちが訪問している宮城県南三陸町では、障害手帳を持っている方は、その他の方の3.7倍の割合で亡くなっていることが分かります。
これはかなりシビアな数字です。
障害手帳を持っている方は同時に高齢者であるのが地方の特徴であるようです。
記事によると、南三陸町の場合、特別養護老人ホームが流されたとことも数字を押し上げているそうです。
しかし、125人とは・・・おそらく在宅の方々も相当数いらっしゃったのではないでしょうか?
阪神淡路大震災の時の数字で覚えているのは、日本人にくらべて外国人の死亡率が高かったことです。
国籍でいうとアメリカ人などを例外にして、のきなみ日本人より多い比率で亡くなっていて、住宅環境の差であろうと推測されていました。
数字から推測できることとして、いざという時に逃げ遅れた方がいただろうこと、施設など集住していた場合ひとたまりにもなかっただろうこと。
ソフト面、ハード面の両方から原因が考えられます。
さらにこの記事の末尾に、今後の対策に関して、
集団移転などによる新たな居住地が見通せず、「避難対策を具体的に検討できる段階でない」(南三陸町)
というコメントがあります。
南三陸町に何度も足を運んでいる者として、現状がよくわかるだけに何とも言えない思いです。
障害をもっている人が豊かに安心して暮らせる社会を志向するうえで課題は山積されています。
(はり灸レンジャー レッド 舟橋)
(リンクが切れると新聞記事は読めなくなりますので、下記に本文を添付します)
焦点/岩手、宮城、福島3県 障害者1655人犠牲
障害者手帳所持者の死者数と死亡率
岩手、宮城、福島3県で障害者手帳所持者1655人が東日本大震災の犠牲となったことが、各県の調査などで分かった。障害者手帳の所持者全体に占める死亡率は1.5%で、全住民の死亡率(0.8%)の2倍近くに及んだ。災害時に障害者を社会でどう支えるのか、重い課題が浮き彫りになった。(門田一徳、西村悠里)
◎手帳所持者死亡率1.5%、全住民の2倍
<宮城最多1103人>
3県の7日までの調査を基に集計した。障害者手帳所持者が犠牲になったのは沿岸37市町村のうち31市町村=表=。死亡率は家屋倒壊や津波など震災が直接要因となった人数から算出。福島県の全住民の死亡率は、直接死と震災関連死を合わせた人数を基にした。
県別の手帳所持者の犠牲者数は、宮城が1103人と突出し、岩手は436人、福島は116人。死亡率は岩手が3.3%(全住民死亡率2.2%)で、宮城1.6%(同0.6%)、福島0.4%(同0.5%)だった。
被害の大きかった宮城を障害別にみると、肢体不自由519人、聴覚障害75人、視覚障害69人など身体障害が県全体の約9割を占めた。知的障害は62人、精神障害は65人だった。
市町村別で、犠牲者が最も多かったのは石巻市の397人。次いで気仙沼市の137人、宮城県南三陸町125人、陸前高田市123人の順だった。
死亡率が10%を超えたのは15.6%の宮城県女川町と12.6%の南三陸町の2町。全住民の死亡率と比較すると女川町(5.7%)は2.7倍、南三陸町(3.4%)は3.7倍に達した。
女川町は「犠牲者の多くは在宅の障害者」と推測する。南三陸町は「津波被害に遭った特別養護老人ホームで多くの高齢者が亡くなり、障害者の死亡率を押し上げた」と説明する。
被災自治体では、集団移転などによる新たな居住地が見通せず、「避難対策を具体的に検討できる段階でない」(南三陸町)という。
<自主的に対策>
重度の障害者を在宅介護する家族や医師の中には、自主的に防災対策を検討する動きも出ている。仙台市泉区で7日にあった「障がいのある子どもたちの防災勉強会」には、在宅介護する家族や医療、福祉関係者ら約60人が参加した。
勉強会を呼び掛けた宮城県拓桃医療療育センター(仙台市太白区)の田中総一郎医師は、地域の避難訓練を障害者や高齢者を交え日常的に実施していた石巻市牡鹿地区で、要援護者の犠牲が少なかったことを報告した。
その上で「地域の避難訓練に加わることで、どこにどのような障害のある人がいるのか地域に認知される。勇気が要ることかもしれないが、ぜひ参加してほしい」と呼び掛けた。
2012年09月24日月曜日 (河北新報)
今日9/1は、関東大震災の発生した日で、防災の日ですね。個人的には、阪神淡路大震災の1/17、東北大震災の3/11のほうが、印象深いですが、備える日は何日あってもいいでしょう。
その防災の確認をするとともに、日常生活のありがたさを確認する日でもありたいですね。毎日を無難にすごしていると、それが当たり前になってきます。そして、ちょっとした不都合に不平不満を言ってみたり、感謝する気持ちを忘れてしまったり。
でも、被災地での生活を思うと、そんな気持ちは戒められます。ここ阪神地区も、昔は「被災地」と呼ばれていました。いつの間にかそう呼ばれなくなり、それとともに、そんな感謝の気持ちも消えてしまっていくのは残念なことです。復興はしても、その気持ちはずっと忘れないようにしていきたいです。
日常のありがたさに感謝して、その日常が戻っていない被災地に思いを馳せたいと思います。
(森川)
今回の活動を通して強く感じたことは、「支える人を支える」です。
被災地の方を一番身近で支えられるのは、現地の職員やスタッフです。ただ、その現地職員やスタッフの方も、被災者であることが多いです。自分の生活がままならない中、頑張らなければいけない状況にあることもあります。やること、できることがあるのはいいことですが、それにも限度があって、ときには休むことも必要です。そんなスタッフの方の苦労をねぎらい支えることも、外から来たボランティアの役目なのでしょう。
また、老老介護や認認介護のように、介護する人も介護を必要とする場合があります。介護とまでいかなくとも、介護者を支える必要がある場面には、ボランティア中にもよく出くわしました。それは被災地に限らず、これからの高齢社会ではどこでも起こってくる問題でしょう。介護者が疲れていれば、介護される人もつらくなります。そんな介護者を支えていくことも大切です。
被災地で頑張る人を支えれば、そのまわりの多くの被災者の方が救われるのでしょう。そこも意識して、活動を続けていきたいと思います。
(森川)
震災から1年を迎えようとしています。我々はり灸レンジャーも、この3月の3度目の訪問へと準備を進めている次第であります。
そこで前回の訪問時に大活躍で大好評だった、刺さない針「ローラー鍼」を購入致しました。自分で治療できるセルフケアグッズの一つです。私たちが訪問して行なう一過性の治療で終わらず、被災された方々がご自身でもケアできるようにとの思いで、自己ケアを提案していきます。
さらに、購入先のタフリーインターナショナルさんより、支援物資もいただきました。鍼とお灸、消毒綿花や使い捨てパレットなど、私たちが現地で使える治療道具をチョイスして頂きました。実際に使えるものばかりで、とても助かります。本当にありがとうございました。
多くの皆様に支援していただいています。期待に応えられるよう、しっかり現地でがんばってきます。