<今回の活動の成果と反省 → 今後の課題 >
・治療を通して身体の不調だけでなく、面と向かっては話しにくいことも聴き出せた。
→ こちらから一方的に治療を提供するだけでなく、被災者の思いを聞く。
・被災者の生活の回復は、多くの現地職員やボランティアの方によって支えられている。
→ その被災者を支える現地職員、スタッフの方へのケアも重要である。
・被災者の訴えるつらさは腰痛、肩こりに限らない。
→ めまい・地震酔い、睡眠障害、内臓疾患などに注意が必要である。
(とりわけ仮設住宅での不慣れな生活が長期化することから、慢性疾患に注意)
・病気の自己管理を行なうためには、自己ケアが充分になされる必要がある。
→ ローラー鍼や簡易灸を配ってよしとするのではなく、その後のフォローアップが 大切。鍼灸師だけでは限界があるので、現地NPOとも協力する。
・慢性期疾患の発症や悪化を防ぐには一過性の治療では難しい
→ 日常生活のすごし方が重要。今後も継続した支援を行なう。
<計画>
(第3次訪問)
2012年3月に第3回目の訪問を計画中である。
○ 前回訪れた被災者や現地スタッフのその後の様子をうかがう(継続支援)。
○ 大震災から1年経過した現地での生活ぶり、健康状態を確認し、鍼灸支援の方法の
練り直しも行なう。
○ 訪問先が、宮城県の北東部(三陸町)から、福島県の郡山市まで広域であるため、チーム編成を行ない、地域ごとに鍼灸師グループで担当者を決めるのも一案。たとえ頻繁に訪問できなくとも、顔なじみのAさんが季節ごとに鍼灸治療に来てくれる、と受け止めていただけると嬉しい。細くとも長く支援が続くことが、被災者の方々を「いつまでも忘れずに見守っている」というメッセージを送ることにもなるだろう。
(中長期的な支援方法の模索)
仮設住宅の入居は2年が期限とされているが、被災地によっては、代替の土地が不足し、2年以内での仮設住宅の解消には至らないことが予想される。都市部に限らず、へき地の支援をも志向したい。
その場合、鍼灸ボランティア支援も長期化するだろう。しっかりと活動を継続するためには、私たちのグループも足腰を強くしなければならない。仲間を募り、資金や物品などの体制も整えていく必要もある。第3次訪問を契機に、中長期的な支援体制の構築に向けた努力を行なっていく。