2016年3月のお彼岸連休を利用して、はり灸レンジャー第14回目の訪問治療を行ないました。
今回、わたし舟橋(はり灸レッド)は、往復新幹線を利用し、1泊2日のショート訪問でした。
初日、3/21(日)に宮城県の北部にある「くりこま高原」駅で他のメンバーと合流し、レンタカーでまず南三陸町に向かいました。
治療まで少し時間があったので、まずは復興工事に湧き立つ沿岸部の様子を見ることにしました。津波にかぶった沿岸部は危険区域ということで居住は許されません。この1~2年、すさまじい勢いで盛り土工事が行なわれ、道路も以前より高いところを通っているので、不思議な感覚に襲われます。
沿岸部から少し北上し、当時避難所になったベイサイドアリーナの近辺では、新しい医療センターも台湾の義捐金を原資に竣工し、また5~6階建てに見える復興住宅も建設のピークを迎えています。被災自治体のなかで、住宅再建がかなり遅れていた南三陸町もようやくゴールが見えてきたか、という感じがします。
治療は、沿岸部からかなり入った里山にある「入谷福祉型仮設」で行ないました。この福祉仮設とのおつきあいは本当に長く、2011年の秋以来、10数度の訪問になるのではないでしょうか。
以前は平屋で2棟あった福祉仮設ですが、入居者の方々も徐々に引っ越しをされ、現在は1棟しか使用していません。それもつい最近まで入居者数が5人になっていたそうですが、つい最近、他の福祉仮設から移動してきたお年寄りが3名いらっしゃり、現在は8名です。そのうちのお一人の治療を舟橋が実施しました。
新しい環境に戸惑いながらも私たちの治療を受け入れて下さり、個人的には嬉しく思いました。この方が以前に入っていた仮設住宅は、南三陸町のお隣にある登米市の南方(みなみがた)仮設です。統廃合によって南方の福祉仮設は閉鎖されたのです。そこは街中なので、接骨院もあるし、散歩もしやすい地域ですが、いま住んでいるここ入谷仮設は周囲にお店もなくさみしそうでした。なによりお年を召した方がたにとって環境の変化はこたえると思われます。今回、高台移転や道路工事など目に見えて変わりゆく町と対比され印象に残った治療でした。
ところで、この入谷福祉仮設は現在、NPO法人「奏海の杜」(かなみのもり)さんが町から委託を受けて運営しています。
奏海の杜さんとのつきあいも4年半になり、いつも登米市の事務所では宿泊のお世話になっています。震災後、小さなグループから始まった活動が、こうしてNPO法人として委託事業を受けるまでの組織になったことに応援団の一人として本当に嬉しく思います。