遠くから見る東北、近くで見る東北

こんにちは。はり灸ライトグリーンの坂口友亮です。今年のシルバーウィークに自身三度目となるはり灸ボランティアに行ってきました。私は大阪在住なのですが、大阪にいる時の東北の見え方と、実際に東北(宮城県・福島県)を訪れた時の東北の見え方について感じることがありました。

・どこのトウホクの話?

大阪にいる時に入ってくる東北の情報は、「避難生活が続いている」「放射能におびえている」「防潮堤問題があるらしい」といったものでした。しかし、実際に現地に行ってみるとそれらは個別の問題である事に気づきます。もちろん関連している部分もありますが、「どこが」「どの程度」関連しているかは場所によって異なる、という現実に直面します。

・田村市の除染作業風景

今回の訪問最終日に、ケアステーション職員のAさんに福島の田村市を案内していただきました。車に乗り込み、除染作業中の土地のすぐ傍を通りながらAさんの説明に耳を傾けます。しばらくすると、除染した土を道路のわきに積み上げている光景に出くわしました。そこで車から降り、風景を写真におさめている時にAさんが言いました。

「今もあなたがたの体にすごい線量、降り注いでますよ」

ハッと、いやドキッとしました。私は被災地に居ながら、放射能の問題を自分の問題としてとらえていませんでした。この不安の中で毎日生活をしている人を目の前にしている、という現実をようやく認識することが出来たのです。

・東北と大阪を行き来する事

このAさんが話してくださった事は、東北の今を代表する様な書き方をしましたが、あくまで一つの事例です。まあ私も話を聞いていた時はこんなに客観的になれませんでしたが…。
私たちのように外から被災地を訪れる人間に出来ること、それは被災地と外を往復することで互いを客観視することです。
大阪で得ている情報を、東北の現地の情報と照らし合わせる。また、東北で見聞きした事を大阪に帰って反芻する。この作業を繰り返して、情報発信をすることがボランティアを続ける目的の一つです。
最後にもう一度、被災地の外にいる人間が被災地の情報を目に、耳にした時、「それはどこの被災地の話なのか」と考えてみると、東北の今がより分かるのでは、と思います。

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