震災後はじめての東北訪問

こんにちは。今回はり灸レンジャー初参加の”グレー”鈴木一成です。グレーのズボンをはいていたからグレーです。(深い意味はありません。)

私はもともと積極的にボランティアなどに参加するタイプではありませんが、あの震災後、被災地の方々には何もできず、心の中にどこか後ろめたい気持ちを抱えたまま時間が経ってしまいました。そこで昨年度よりお世話になっている反応点治療東海講習会でこのボランティア活動を知り、参加を希望しました。ですから今回の東北訪問はボランティアといいつつも私にとってとても有意義で貴重な体験となりました。

震災前に一度東北を旅したことがあります。その時感じた東北の人のイメージは「優しくて、穏やかで、どこか暖かい」。今回私が接した方々もやはりそんな感じの人ばかりでした。決して消えることのないであろう震災のダメージを全く感じさせる事なく、みなさんとても優しく私たちを迎えていただき、治療中も明るく話していただきました。
しかし、現地で活動されている三浦友幸さん、小野寺ふさ江さんのお話を聞くと三年経った今また次々と問題が生まれているようです。先行き不透明でいつ出られるかわからない仮設住宅の中でストレスがない訳がありませんね。それも東北の人の強さと優しさで乗り切っているのでしょうか?小野寺さんのお話の中で
「みんな自分より困っている人がいると思ってなかなかSOS出さないんです。」
とおっしゃっていたのが印象的でした。

二日間の活動が終わり、南三陸を後にした時
「果たして自分のつたない鍼治療は被災地のみなさんのためになっただろうか?」
と考えました。今回は被災地のみなさんの優しさと強さに私の方がパワーをいただいたように思います。しかし私自身、復興のお手伝いとして一歩を踏み出しスタートできたことはとても大きなことだと感じています。
南三陸から仙台に向かう車中、右にはきれいに土が盛られた広い更地のあちらこちらに重機が入り、復興工事が進んでいます。そして左には春の午後の陽に照らされ、淡いピンク色の光に包まれた三陸の海がとても静かに広がっています。
“思わずため息が出るほどの美しさ!”
あの時この場所で何が起こったのか全く想像できない優しく穏やかな風景でした。

今回受け入れていただいた被災地のみなさん本当にありがとうございました。一日も早く、できるだけたくさんの人々が理解し合える復興を願っています。またお手伝いできれば幸いです。

鈴木一成

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