はり灸レッド、舟橋です。
2014年3月の第10回訪問の報告が続きます。
気仙沼のコミュニティ再生に奔走している三浦友幸さんにうかがったお話しの3回目、最終回です。
前回の投稿では気仙沼での様々な町おこし、産業の再生について書きました。
新たな狙いの観光以外にも、地域通貨の「Reneria」(リネリア)など先進的な取り組みもあるそうです。
これは三浦さん自身の感想ですが、
「私も気仙沼の地元の人間で、気仙沼というのは陸の孤島などと言われていて、知らず知らず自分もそうだと思っていた。
けれどマグロ漁やサンマ漁などで、世界中の港と繋がっているせいか、グローバルな視野をもつ経済人もけっこういることを再認識した」
とのことです。
これは興味深い視点ですね。
グローバルな視野で、ローカルに行動する。
これは本当に大事なことで、私自身もいつもそのようになりたいと努力しているのですが、気仙沼の方々は自然と実践されているのでしょうね。
さて、仮設住宅や様々な復興政策です。
ご存知のように仮設住宅はもともと2年限定ですが、すぐに3年に延長されました。
今後も順次延長していかざるを得ないでしょう。
その他、防潮堤や土地のかさあげなどの事業にもそれぞれの期限が設定されていますが、現実には今後1年や2年ではとうてい無理でしょう。
人手不足、人件費や資材費の高騰、その結果として入札不調などの話はあちこちで聞きます。
いずれ、かさ上げは破綻するであろうとの指摘も出ています。
ですからダラダラと支援事業の期限を短い単位で延ばしていくのではなく、もう少し中期・長期的視野にたって、より柔軟な支援策を自治体ごとに繰り出していかなければならないと思われます。
以上、3回にわたって三浦友幸さんのお話を要約してきました。
被災地の状況はどんどん外からは分かりにくくなっています。
私たちもついつい紋切型の理解らしきものに寄りかかりたいという誘惑におそわれます。
しかし、決して公務員さんがさぼっているとか、不正に復興資金が流用されているとか、そういう単純な問題ではないのです。
住宅の問題、仕事の問題、教育、人口流出、その結果コミュニティ再生の難しさなど、全体がからみあって解けない方程式のようになっているように感じます。
大事なことは一つひとつを丁寧かつ迅速に、そして民意をくみとりながら進めることだと思われます。
その場合、かつてのような高度経済成長のモデルではなく、自治体ごとの人口規模に適する、つまり身の丈にあった計画が必要であると痛感した次第です。
これで三浦さんのお話しの要約は終わります。
はり灸レンジャーのブログとは言いながら、鍼灸に関することにほとんど触れられませんでしたので、次回から南三陸町や山元町での治療の様子を投稿するつもりです。
(舟橋)