熊本訪問で心に残ったこと

こんにちは。レンジャーピンク森川彩子です。
8月10日から12日の3日間、連日38℃という暑さの熊本に伺いました。
娘も連れて家族で参加させて頂きました。

今回は南阿蘇のグループホームやデイケア施設の集まった福祉施設、御船町の仮設住宅、益城町の避難所に隣接する集会所、という三者三様の3カ所にお伺いできました。

お会いした方々の多くは、生活環境が変わったことで痛みや不調が始まった事を話されていました。
高齢であっても今まで家業や農作業など仕事を持たれていたのに、家や田畑の被災で仕事ができず、体を動かすことも減り、筋肉がこわばって痛みが出る。
痛みのために気持ちもふさぎがちだ、という様子でした。

また、避難所や仮設住宅のお世話をする仕事に就かれている被災者と、支援を受けとるだけの被災者の間では、同じ被災者であっても温度差があることが印象に残りました。

町の崩れた家々や、村の崩れた山や道路などを目にすると、復興はなかなか進んでいない様子で、これからも疲労は続くと思われます。

そんな中、一番印象に残っているのは、活動中にお会いしたある92歳の女性です。

その方は、地震前まで下宿の仕事をされ、大学生90名のお世話をされていたそうです。
4月19日に、橋のたもとの自宅が崩れ、下宿生1人もその時亡くされたことを涙ながらに話されました。
他の学生は休みに入って実家へ帰る中、「ばあちゃんの所がいい」と残っていた学生さんだったそうです。
「崩れた後、ショックで何もわからなくなって、目が覚めたらここだった」と話されました。
今は同じホームの認知症状の強い方と一緒に過ごされ「私がお預りしてるのよ」と気丈にされていました。

治療で膝と肩の痛みが軽くなると、「痛くないわ」と微笑まれ、こちらが救われる思いがしました。
他の方の治療する間も、連れてきた私の娘に優しい眼差しで寄り添い、ずっと遊んで頂きました。
人見知りの娘がその方と自然に居る様子をみて、これまでもこんな風に優しく、学生さんに寄り添ってこられたのだろうと想像しました。
お1人お1人に、重く大切な物語があるのだと、改めて感じました。

鍼灸は痛みやコリをその場で軽くすることができる利点があります。
体の不調が軽くなれば少し元気も出てきます。
本当に微力ですが、お会いした方々、これからお会いする方々の不調が少しでも軽くなるよう、これからもお手伝いできればと思います。

第2回熊本訪問森川彩子

(森川彩子)

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