火の国くまもとへ

はり灸レンジャーブルーの森川真二です。
寒さの厳しい東北とは対照的で、真夏に酷暑の続く熊本への第2回訪問となりました。
その3日間の活動の様子です。

一日目 
(8月10日(水) 熊本市 最高気温 37.3℃)
熊本県 阿蘇郡 南阿蘇村

南阿蘇ケアサービス201608
(南阿蘇ケアサービスから見る風景)

熊本駅にメンバー全員が集合。
朝の時点で熊本の灼熱の暑さを予感しつつ、レンタカー、ベッドを借りて、初訪問となる南阿蘇村へ向かいます。
総合福祉施設の「南阿蘇ケアサービス」に訪問しました。

グループホーム、デイサービス、有料老人ホームなどが、徒歩圏内に集まっています。
その施設や事務所で、メンバーを別けて、順々に施術を行なっていきました。
利用者さんをはじめ、職員の方々も、被災をされながら、仕事に従事されています。
こちらでの震災直後の様子が綴られた冊子と、村の被害が写された写真集を頂きました。
前回訪問した「町」とは違った、被害の様子、今後の課題なども教えてもらいました。

施術中、多くの話題に上がったのが、地震による道路の寸断です。
有名な「阿蘇大橋」の崩落もありましたが、それ以外にも道路やトンネル(俵山トンネル)など、通れないところが多数ありました。
職員さんも生活や通勤に随分影響が出ているようです。
(普段なら10分で行けたところが、1時間20分ほどの時間がかかる所もあるそうです。)

私たちも、熊本市内からこの南阿蘇村へはナビの案内通りには伺えず、山道を遠回りすることになりました。
ドライブなら阿蘇山麓の雄大な景色を見れていいのですが、毎日のこととなると大変です。

そしてちょうどその当日、熊本地震で唯一行方不明だった大学生のご遺体が、南阿蘇村の川の下流で見つかるというニュースもありました。

地震から4か月が経とうとしていましたが、未だ傷跡の多く残る南阿蘇村の訪問となりました。

計28人施術

二日目
(8月11日(木) 熊本市 最高気温 38.1℃)
熊本県 上益城郡 御船町

旧七滝中仮設住宅
(旧七滝中仮設住宅)

前回の御船町スポーツセンターの避難所でお世話になったNPO法人レスキューストックヤードの熊本事務所、「かたらんな交流館」に訪問しました。

メンバー二手に分かれ、山中にある「旧七滝中仮設住宅」の集会所でも、鍼灸治療を行ないました。
この仮設住宅に限らず、交通の便の悪いところが多く、入居の抽選に当たってもキャンセルされることがあるそうです。
確かに、こちらもまわりに店舗などはなく、とても不便に感じました。

この仮設住宅では、まだ自治会もできておらず、数日前に行われた「お茶会」に続き、2回目の集会所の利用だったようです。
ひとまず仮設住宅には移ったものの、これからの生活に不安の様子でした。

ここでは治療人数が少なかったため、一人あたりに時間をかけることもできました。
その分、いろんなお話をお伺いすることもできました。
被災者同士では話しにくい被災の状況や、身体のこと、家族のこと、外部から来たボランティアだからこそ話して貰えることも多かったように感じます。
そういった悩みや不安などを吐き出してもらい、また現地のNPO団体に申し送りし、行政機関などにも繋いでもらえることは、私たちの重要な役目ではないかと思います。

また、前回訪問の御船町スポーツセンター(避難所)で治療を受けられた方で、
「2日連続治療を受けて、痛みがすっかりなくなった」
という嬉しい声を聞くこともできました。
その後の様子を聞けることも、継続して訪問することの利点です。

そして活動終了後、現地の職員さんに、熊本の「よかとこ」も多く教えて頂きました。
熊本城の眺めの良い所、熊本の美味しいもの、馬刺しやラーメンの美味しい所、またゆっくり熊本観光もして帰りたいと思いました。

計14人施術

三日目
(8月12日(金) 熊本市 最高気温 38.0℃)
熊本県 上益城郡 益城町

よか ましきハウス201608
(よかましきハウス)

前回訪問した益城町総合体育館避難所の横にあり、地域の方々が集う「よか ましきハウス」に伺いました。
こちらでは、隣の体育館の避難者に限らず、近隣に住まれる被災者や、支援者、ボランティアの方々に対しても、治療を行ないました。
メディアでよく聞く避難所でもあって、多くのボランティアが入られています。
この日も関西から来た大学生たちが、ボランティア活動に従事されていました。

治療の方は、一時ベッドや椅子が埋まる程の盛況でした。
治療を受けられる人が減ってきたな~と思えば、避難所で館内放送を入れて頂き、またぞろぞろと。
前回訪問で治療を受けられた被災者の方とも再会を果たし、喜び合いました。
避難者だけでなく、現地の職員さんが治療を受けに来られたのも印象的で、こういったスペースの利点と感じました。

ここも避難所に併設されているので、いつまで存続されるかはわかりません。
しかし、避難所は閉じても、次は仮設住宅へと移っていきます。
この益城町では、516戸という県内最大の仮設住宅「テクノ仮設団地」が完成しています。
そこへ入戸が決まっている避難者の方もおられました。
「次は是非仮設住宅へ来てください!」という声もかけられ、また次回以降の訪問を約束しました。

計22人施術

 

今回、家族でボランティア活動に参加しました。
小さい娘を連れていくことに躊躇しましたが、温かく迎えられ、良い雰囲気で治療を行なうこともできました。
特にグループホームでは、表情の乏しかった高齢者の方が、笑顔で娘と接してくれて、嬉しく思いました。
気苦労もありましたが、連れて行けて良かったと思います。

復興する被災地の様子を見に、また家族でも伺いたいと思います。

(森川)

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