南三陸の山間部での治療

はり灸レッド舟橋です。
もうずいぶん月日がたってしまいましたが、第10回訪問(2014年3月)の治療日誌です。

南三陸町での治療は回数を重ねて、患者さんによってはカルテが分厚くなっています。
午前にうかがった入谷地区の福祉型仮設住宅には障害をもった方など、なんらかの理由でお一人暮らしが難しい方がたが入居されています。

各個人のお部屋があり、別にデイルームのようなホールがあり、そこでスタッフが食事を3食用意されてます。
運営を委託されているのは福祉法人で、もともと3.11の前は高齢者施設を運営していたのですが、やはり津波で流されたそうです。

鍼灸治療にも皆さん慣れて下さり、入居している方も、スタッフの方も順番に受けて下さいます。
初回訪問からずっと治療を受けている方、最初こわごわ覗いていたけれども途中から治療を受ける方、さまざまです。
カルテに申し送りがありますので、相手によっては刺激を強くしたり弱くしたりの調整もできます。

この福祉仮設は山里深く入ったところで、多くの利用者はあまり買い物などには行かれません。
時には福祉法人の職員さんの車に同乗して出かけるそうですが。
福祉業界で「生活不活発症候群」という言葉があります。
外出をはじめ生活の中での動きが減り、結果として筋肉・骨格系をはじめ、内臓、引いては精神状態まで不活発になり、病気になりやすいといいます。

私たちの訪問治療がそういった生活のちょっとした変化になれば良いなと願っています。
なかには2、3年前にお配りしたローラー鍼(はり)を熱心に使ってらっしゃる方もいますので、一定の効果が見られます。

都市部の堅苦しい施設ではないので、職員さんも手が空いた方から順番に治療を受けていただけるのも嬉しいですね。
なにせここは施設長さん自身が大の鍼灸ファンなので。

今回は、案内役の「奏海の杜」さんのスタッフも飛び入りで治療を受けられまし、近所の南三陸復興ステーションの職員さんも顔をわざわざいらして下さいました。
何度も足を運ぶなかで信頼関係が醸成されていることを嬉しく思います。

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