はり灸レンジャー・レッド舟橋です。
先日に引き続き、7月の東北訪問の報告をいたします。
今回は、はり灸レンジャーらしく、治療のことを中心に。
7/15(日)の夕方、南三陸を引き上げ、お隣の登米市にある「被災地障がい者センターみやぎ・南三陸支部」の事務所にもどったところ、仙台のスタッフさんが用事でいらしていました。
ずいぶんお疲れのご様子でしたので、早速治療いたしました。
スタッフKさんは、仙台の事務所で復興活動の中心的役割を担ってきた方です。
八面六臂の活躍で、私たちをはじめ外部のボランティアを受け入れ、きめこまかく采配して下さっていました。
いつも温厚で、落ち着いたリーダーぶりに見惚れたものです。
そんなKさんも震災後は、1~2回過労のため倒れたとのこと。
心身ともに限界に来ていたのですね。
今回、久しぶりにお目にかかり(今年3月以来?)、お体を拝見し、ゆっくり治療とお話ができました。
責任ある立場の方の多くがそうであるように、無理に無理を重ねている様子が、ツボを触ると分ります。
首や肩こりは定番ともいえますが、その引き金にもなる咽頭粘膜、あるいは目のツボなどもしっかり施術いたしました。
東北にうかがい、鍼灸治療を展開する際、やはり筋肉痛など整形外科的なつらさが最初にあります。
しかし、仔細にお体を拝見すると、内臓の疲労もあり、目や鼻、ノドなど、ご本人も気づかない炎症反応が見つかります。
単に筋肉疲労だけではなく、身体全体の治療こそが鍼灸の面目躍如と言えましょう。
さて、以下、Kさんのお話です。
「今の被災地は、端境期(はざかいき)=課題の入れ替わりの次期かも知れません。
震災から1年ぐらいまでは、突っ走って来て、いまエアポケットのようになっています。
復興へ向けて次のステップをどう踏んでいけばいいか・・・・」
Kさんをはじめ、私たちがお世話になる宮城県のNPOは、障がい者の支援を行なっています。
そして、震災前も障がい者の生活は決して余裕があった訳ではありません。
震災をきっかけに多くの人々が出会っています。
そして、新たな街づくりの試みがあちらこちらで生まれています。
そこに障がいを持つ当事者の視点を入れていく活動が問われてるのです。
一方、Kさんは、真面目な性格もあるのでしょう、
「振り返ると、もっといろいろやれたんではないか、と思ったりします」
と小さくつぶやいていました。
Kさんの働きぶりをしっている人なら誰でも
「そんなことはないよ!Kさんは、十二分に頑張ったよ」
と言ってあげたくなることでしょう。
周囲のその言葉を何度も聞いているはずのKさんが、
「それでも、しかし・・・」
と呻吟するところに、被災地で活動する方々の苦悩の深さを感じました。
連続投稿も4回目を迎えたこの報告。
あと1回で、大よその流れは終わりです。
(つづく)