連続での投稿になります。はり灸レッドこと舟橋です。
7月の訪問は私一人でしたので、たくさんの方々の治療には限界があります。
しかし、地域で奮闘するNPOの職員さんと情報交換をしたり、いまの課題を掘り下げるという視察的な位置づけもあり、そういう意味で山内明美さんとお目にかかれたのは望外の喜びでした。
「こども東北学」などの著書で、注目を集めている山内明美さんは30代の若手研究者です。
ご出身は南三陸町。それも浜辺ぞいではなく、少し内陸よりで里山のような風景が広がる地域です。
現在、山内さんは南三陸復興ステーションという現地組織に常駐しておられます。
私たち「はり灸レンジャー」が今までにも治療で訪問した入谷地区の仮設の近くにステーションはあります。
廃校になった小学校にある事務所はなんとも風情のある場所でした。
たまたま我々のボランティア活動の現地案内をして下さっているメンバーと山内さんがお知り合いということで、お目にかかることができたのです。
色々なお話をうかがいました。
新たに南三陸の入谷地区で勃興しつつある地場産業のこと、
震災後のすさまじいストレス状況下で人々がどのように生活しているか、
放射能の影響について、
希望を作り出すため、子どもワークショップを企画していることなど・・・
あっという間に1時間以上がたってしまったかと思います。
具体的なある被災者の支援をめぐる山内さんの言葉やふるまいのなかに、静かな深いやさしさを感じました。
山内さんは少し前の朝日新聞のインタビューで、
以下のようにお話しされています。
「過疎化。高齢化。少子化。貧困。格差。
どれも震災前からあり、震災で一段と深刻になりました。
さらに、原発事故でたくさんの人たちが自分の土地を追われたままです。
大量の『避難民』が発生している。
・・・ここで巻き返しができないなら、どこの社会でもできないんじゃないか。」
そして、これからの東北とは、との質問に、
「日本のフロンティア(辺境)です。
これまでも実験地だったし、これからも実験地です。
・・・自分のふるさとをこんな風に言いたくない。
でもフロンティアだからこそ、中央に対して『それでいいんですか』と問い返せる。
発想の転換を求めることができる。
そういう場所です」
と答えていらっしゃいます。
若い方が地元に根をはりつつ発信している姿にこころ打たれます。
今後も機会を見つけて、いろいろなお話をお聞きしたいものだと思いました。
南三陸復興ステーションのHPは、
↓
http://minamisanriku.wordpress.com/
(つづく)