<目的>
被災から歳月の経過と共に「はさみ状格差」が生じるとされる。これは元気で再就職できた方などは「元気に」なっていくが、仕事につけない人、障がい者やお年寄りなどもともと困難を抱える人びとはその困難度が深まり、あたかもはさみが広がるように生活再建の曲線に差が生じることを指す。
医療職である鍼灸師は、本来、病に苦しむ人と共にある。そこで、今回の第2弾ボランティア活動は、仮設住宅を中心に、苦しみの声を挙げきれない被災者と出会い、少しでも心身の苦痛を取り除き、関連機関と連携し、継続的な支援が出来るよう計画された。
私たちの活動の特徴として、以下の点が挙げられる。
1)鍼灸の業界団体とは別ルートで、現地の組織・人々と連携し、主に障がい者・高齢者の施設・団体・仮設住宅を回る。
2)可能な限り継続性をもって、顔と顔、名前と名前のなじむ関係作りを企図する。
3)一過性の治療のみでなく、ローラー鍼やせんねん灸など簡易灸を配布し、ツボの処方を行ない、被災された方々が自己ケアできるよう提案する。
4)鍼灸治療が第一義であるが、治療を通じて聞き取った被災者の声を受け止め、福祉機関などと連携し、一種のソーシャルワーク的な活動も視野に入れる。
<行動の概要>
第二次訪問の実施期間
2011年9月18日(日)~9月24日(土)
参加者 4人すべて鍼灸師(清水先生のみ三療資格保有)
竹原彩子 「彩はり灸院」院長 (兵庫県神戸市)
森川真二 「SORA鍼灸院」院長 (兵庫県芦屋市)
清水真奈美 「サンリ治療院」勤務 (岐阜県揖斐郡池田町)
舟橋寛延 「サンリ治療院」院長 (岐阜県岐阜市)
メンバーはすべて鍼灸の「反応点治療研究会」というグループに属す。
清水先生をのぞいた3人は神戸東洋医療学院の鍼灸学科を卒業した先輩後輩関係にある。
リーダーの舟橋は、20代のころ障がい者団体で働いており、1995年の阪神淡路大震災の際、東京から神戸に派遣され、障がい者の生活再建のNPO活動に従事。今回、当時の同僚のルートをたどって被災地入りを行なった。
<活動記録>
9/18(日)
名古屋に集合し、終日車で移動、夜7時、仙台着
9/19(月)
午前 仙台市「被災地障がい者センターみやぎ」の事務所にて打ち合わせ
午後 東北大学の臨床心理士の皆さんと長町仮設住宅について打ち合わせ
9/20(火)
終日 仙台市内・長町仮設住宅にて治療 夜、登米市に移動
9/21(水)
午前 南三陸町・名足仮設にて治療
午後 南三陸町・入谷福祉仮設にて治療 夜、仙台市に移動
9/22(木)
終日 仙台市内・長町仮設住宅にて治療
9/23(金)
午前 宮城県最南部の山元町の福祉施設にて治療
午後 山元町~福島県境の被災地の案内を受ける 夕方、福島県郡山に移動
9/24(土)
午前 郡山市の障がい者団体にて治療 午後、帰路につく