本当に支援を必要としている人のために

私たちは、被災地の障がい者や高齢者をサポートする現地のNPO団体と連携をとって、活動を続けています。この活動をはじめたきっかけも、被災障がい者を支援するボランティア活動への参加でした。

 はじめて被災地に入ったのは、震災直後のゴールデンウィーク。まだ津波の被害が生々しく残る中、避難所を一つ一つ巡り、被災した障がい者を探し出すことからスタートしました。当時は行政も機能しておらず、また、元々障がい者の居場所を把握できていなかった背景もあります。そのとき感じたのは、「本当に支援を必要としているのは、自ら声を上げられない人たちだ」ということです。

 自らSOSを出せる人たちは、助けられていきます(全てではないですが)。しかし、SOSを出せない人は、その存在や困っていることにすら気付いてもらえず、取り残されてしまうことになります。

 そんな東北大震災の経験を教訓に、「障がいがある方たちの災害対応のてびき」というマニュアルが作られたというニュースがありました。

障害者の備え確実に 岩手県社協が「災害対応てびき」作製
(河北新報社 2013年06月17日)

 同様のマニュアルが前回作られたときは、障害者団体などだけに配布されたそうです。今回は、県内全ての障害者宅などに郵送されるそうです。「全ての障害者宅に」というところもポイントですね。

 本当に困っている人たちは、助けてもらいたい意思があるのに、自ら声を上げられない人たちです。そんな人たちにこそ手を差し伸べられる助け合いの社会っていいですね。

 今回の震災を教訓として、考えさせられることはたくさんあります。そんなことを意識して、私たちの活動も、あまり支援の入りにくい細かな場所へのサポートを中心に、長く続けていきたいと思います。

(森川)

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